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ハリウッドの中国への恐怖症か?政治的対立を避けるために変えた配役 だが。。 ドクターストレンジDoctor Strange avoids political controversies?

 

ハリウッドの中国への恐怖?政治的対立を避けるために変えた
チベット人から古代ケルト人へ。
ドクターストレンジ(主人公)の導師役、
Ancient Oneの配役
(でもなぜか「西遊記」の夏目雅子三蔵法師)を思い出してしまったLucyであった。。(超なつかしい?)

リーダー的存在をイギリスアクセントの存在がするという(でも(ネタバレか))でも、ハリウッドのイギリスアクセントは悪役というパターンから逃れられなかったか!?
'Doctor Strange' avoids political controversies?
The reason why 'Ancient One' turns into a white Celtic female, instead of the original Tibetan male
but, more to say, 
to me (Lucy T),
it reminds me of.. 'Tripitaka' of 'Monkey!' (lol) played by Natsume Masako...(!!!)


さすがのプライド高い役のべネディクト(イギリス人シャーロックあらためアメリカ人高飛車元医師)も、導師エンシェント・ワンの前では、
ただの西遊記堺正章、いや、孫悟空(猿)になってしまうという
シーン(笑)。。
白人だからどうだというよりも、美しい夏目雅子さんの三蔵法師
思い出してしまったLucyさんでした。。(涙)

今回、最新の映画ならでは?という変更がかけられていた、ということで物議を醸していた、
ドクター・ストレンジ。」

実はスパイダーマン、アイアンマン、ハルク、などの原作者は同じ、
マーベルコミックスのシリーズの一人のキャラクターである。
彼らは単体で主役も張っているが、アベンジャーズというシリーズで終結して宇宙の強大な敵とも戦うチームメンバーでもある。

シリーズの物語自体は今から、なんと50年前くらいから続いている物語だ。

ドクター・ストレンジ」。日本では、無名に近いキャラクターであるが、本場アメリカでは古くから馴染みのある人間も多いコミックスのキャラである。

ところで今回の映画化の、最大の変更点である。

ドクターストレンジでは、エンシェント・ワン(Ancient One )というとても重要なキャラクターが登場する。人生で一旦挫折した主人公の力をめざめさせる、導師ともいえる存在である。

原作では、チベット人の僧侶(男性)だった。
それを今回の映画では古代ケルト系の白人という設定で女性にした

実はそこにはまず、非常に政治的な理由があるそうだ。

制作側は、
昨今のハリウッドでは避けて通れない世界的なお客様、中国に対する恐れから、チベット」人であるキャラクターが、ストレンジの世界の中でも魔法使いの至高の存在であり、主人公の精神的成長を助ける師になるという設定はまずい、(現実に、中国との万一の政治的軋轢にまきこまれるのは避けたい)と判断しての変更だと弁明した。(下記も参照。)
(政治的思想と干渉をいちいち持ち出す中国政府との対立を避けるために前もってこのチベット導師というのを排除したという)

In the original comics, The Ancient One was a wise, old Tibetan man who 
trains our titular hero in the esoteric arts of magic and sorcery. 
So it came as a surprise to many when this role was played by 
Anglo-Scottish actress Tilda Swinton in the trailer. 
One of Marvel’s screenwriters, C. Robert Cargill, has since come out to 
say that the decision to change the character so dramatically was, at least in part, so as to not risk upsetting China:

“He originates from Tibet, so if you acknowledge that Tibet is a place and that he’s Tibetan, you risk alienating one billion people who think that that’s bullshit and risk the Chinese government going, ‘Hey, you know one of the biggest         film-watching countries in the world?                             We’re not going to show your movie because you decided to get political.’ “

ちなみに、日本ではあまり知らない事実かもしれないが、ケルト人というのは古代ヨーロッパ(特にイギリス)に分布していた古代民族である(Wikiでは、「ケルト人(ケルトじん、Celt、Kelt)は、中央アジアの草原から馬と車輪付きの乗り物(戦車、馬車)を持ってヨーロッパに渡来したインド・ヨーロッパ語族 ケルト語派の民族」とある。)

古代イギリスの先住民的な民族はケルト人といわれていて、
その流れを組むゲール語系の言語というのは、実は現在も存在している。
スコットランド語(スコットランドなまりの英語ではない)
アイルランド語(これまた、アイルランドの英語ではない)
ウェールズ語(イギリスのウェールズ地方の言葉、現在も英語と併用して公用語である)
コーンウォール語(イギリスコーンウォール地方)
などであるが、

*これらはいわゆる英語(English)とは全く似ても似つかない別の言語である。(英語はゲルマン人がもってきたゲルマン系に、フランスのノルマン系が侵攻したりバイキング(北欧)がもたらしたりして混交した言語である)

話はそれたが、とにかく今回のチベットで主人公が会ったAncient One (古代の存在)と呼ばれている至高の存在であるが、ケルト人である(実際演じているティルダ・スゥインドンはスコットランド系のイギリス人なのでケルト系とはそういうことだろう)。

しかし、

まあ、要するにそれは、チベットのあたりで謎の宗教的な力を持ったグループのキャラが、世界の謎を知っていてなどという設定があまりにもstereotypical(紋切型)であるので、そういう陳腐さただよう伝統的な悪習と偏見を断ち切りたいという意味もあったんだろうなということである。(そういう意味では傍でみている日本人観客にとっては、へんな嫌味的にうつらないキャラだったからいいのでは?と思ったりした。。逆にいうと地理的場面と一致しない白人キャラだったから、画面や設定に説得性を欠いたともいえるかも。。?)

ところが、である。

逆に今回の「ケルト人」つまり、欧米のマスコミでは、結果的に白人を起用したことで、最近紛糾しているハリウッドのwhitewash(白人至上主義化)かという論調もあった。

陳腐さを断ち切りたいということでは非常に理解できるところがある。なぜなら、製作者側が認めているように、ドクターストレンジにしろマーベルシリーズというのは、昭和30年代くらいからマンガ原作は執筆されている、つまり、今から半世紀前は経過している作品群なのである。
つまり、1960年代にとってのアメリカの世界やアジアに対する社会観というのは偏見、エギゾチックなオリエンタリズムという色眼鏡で彩られている。いまでも完全に消えたとはいえないだろうが、ハリウッドのドラマで、東洋には謎の宗教的力を持った謎の超人がいて、宇宙の謎を解き明かしている。という例のステレオタイプである。

日本人がみてもそういう扱い方は、逆にいうと西洋白人の嫌味とか偏見にみちた愚かさが相まって嫌悪を催すかもしれない。

そういう意味ではハリウッド映画というのは、特に「お子様ティーンエージャー向けエンターテイメント」のマーベルシリーズ(アベンジャーズシリーズ)は、(最近ディズニーに買われた(ベイマックスのあたりから(*そうですベイマックスもアヴェンジャーズの日本支局なんです本当は))
人種の融合と、被差別対象の人種をミックスさせるとかそういうのがあった。
アベンジャーズのリーダー・ニック・フューリーは本来黒人でなくて白人だったなど、ハリウッドの黒人というのは現実社会とは逆に、リーダーとか、かならず「いい人」であり、逆に悪人になるのはイギリスアクセントをもつ白人(の男性)であるといわれているのは、
ベネディクトやトムヒドルストンが指摘しているまでもない。

アイアンマン3のマンダリンだってあれも原作はアジア人の悪人だったが、イギリスの名優、ベン・キングスレーが演じ、実は、マンダリンとは架空の存在で、俳優が雇われて、道化的な存在であったであるというネタに設定変更されている(しかしタイミング的にアイアンマン3は、イメージからして、マンダリンとは、明らかにビンラディンを意識している設定だったと感じるが)

しかしまぁ、
ナルニアで、雪の女王を演じたティルダ・スゥイントンが、
Ancient One.
いいんじゃないでしょうかね。
年齢不詳、古代ケルト人というミステリー性。(だから礼儀ただしい感じで、イギリス英語なのか、とかいうイメージで。)
逆にいうとそれが、例のマトリックスを思い出したり、
チベットにせっかくいるのに、東洋の最大の魔導師じゃなくてケルト人の女ってのが往年アメコミらしくない味に欠けるという人もいるかもしれない。

しかし、しかしである。
実はイギリスでもMonkey!というタイトルで、大ヒットした(ほんとだよ。ジュード・ロウがマネしてたこともある)
堺正章が昔 孫悟空をしてヒットしたテレビシリーズ「西遊記
この、三蔵法師を演じた夏目雅子さんを奇しくも思い出してしまったLucyさんであった。。(古いですかねぇ。?古くてごめんなさい、でも名作ですよみなさん!)

そこで人間に時折変身する白馬を、この間おなくなりになられたおヒョイさん、藤村俊二さんも思い出したり。。(またまた古いネタですね。。)

三蔵法師は、イギリス版では、Tripitaka(トリピタカ)(=三蔵)と呼ばれていました。三蔵法師は英語ではMaster Tripitakaというのです(マスター・ヨーダではないよ。。!!)

Yahoo映画レビューでは、欧米の高評価とはうらはらに微妙な点数がついている「ドクター・ストレンジ」ですが、

(ネタバレ)

たとえば、あれほど偉大だったはずのAncient Oneがあっけなかったのは、あえてスティーブン(ドクター・ストレンジの本名)を偉大なものにするために、AncientOne自身は、意図的に去ったのかなぁと思ったりしました。(あれがあっけなかったからだめだという日本の人は多いですがね。。)
そう、それはまるで、スター・ウォーズでオビワンケノービーが、意図的にルークの目の前で、ダースベイダーに斬られるのを選んだというのに似てるかなとも、思いました。

自分は長く生きすぎたから、もう後進にゆずってもいいタイミングか、といったところでしょうか。。。

そういうAncientOneの悲哀がわかるとしたら、
自分はもはや若いという部類ではないかもしれないですねぇ。。(笑)




Ancient One (Tilda Swinton) in 'Doctor Strange (Benedict Cumberbatch)'
https://www.youtube.com/watch?v=iRyNUqvP6vg



Monkey! (1978) 西遊記堺正章夏目雅子岸部シロー西田敏行左とん平
https://youtu.be/-zOFAD6e9Bk

*余談ですが

字幕で観に行くぞという人!
普段はこてこてのイギリス英語をあやつる(BBCシャーロックホームズやってる)イギリス人(ですよ!)ベネディクトですが、今回、アメリカ人のおっさん、スティーブン・ストレンジ役です。
このこてこてのアメリカ人ぶりのアクセントに注目です。
アメリカ人がみても、上手いと絶賛のアメリカアクセントだそうです)

正統派、ティルダスウィントン(エンシェント・ワン)の英国アクセントの英語との対比に注目してね~!